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2012年5月12日

不登校、引きこもり──講師不足の受験塾「キズキ共育塾」から見える現実

民主党の政策の多くは、「少し困っている人」には非常に耳障りのよいもの。だから有権者の多くは、民主党を支持した。しかし、日が経つにつれ見えてきたことは、「かなり困っている人」を「非常に困った状態」に追いやるものだ。いわゆる「有識者」と呼ばれるひとたちと話すとこういう話が聞かれるようになった。年金しかり、子ども手当もしかり...。

今日、お伝えしたいのは、東京・巣鴨にあるNPO法人「キズキ共育塾」(以下、キズキ)についてだ。高校をドロップアウトしたり、不登校や引きこもりなどで学校に行きづらくなってしまった生徒を対象に、勉強をサポートする塾である。

JR巣鴨駅から地蔵通り商店街を真っすぐに歩いていくと、右側に古いマンションが見えてくる。4月の土曜日、3階の1室(2DK)を訪ねると、玄関は脱いだ靴で溢れていた。いわゆるダイニングキッチンに間仕切りをして、奥側の場所と、ひと部屋を使いマンツーマン指導のレッスンが行われていた。もうひと部屋は家主の寝床である。手前のテーブルでは、現役大学生の講師が、パソコンを前に、授業の内容について意見交換していた。

キズキでは、代表の安田祐輔さんをはじめ、全講師が生徒と同じような境遇を体験している。安田さん自身、私立中学を中退し、暴走族に入るなど荒れた生活をしていたが、心機一転、国際基督教大学に進学した。その他の講師もネトゲ(ネットゲーム)にはまって不登校になってしまったり、人間関係が原因で鬱病を発症したりと、社会から落ちこぼれた経験を持ちながら、克服して早稲田などの超難関大学に入学した学生ばかりだ。

そのせいか、キズキの門を叩く生徒は、あらゆる医療機関やフリースクールを転々としてたどりついたというケースが少なくない。そして、訪れる生徒の数はどんどん増えている。

「講師の数が圧倒的に足りなくて、どうしたらいいのか...」

と、安田さんは頭を抱える。

前述したとおり、生徒は心の病など特殊な事情を抱えている場合が多い。

「私、死にたいんです」

という切羽詰まった生徒の声に、説得力を持って応えることは、同じような痛みを抱えた経験を持つ彼らですら難しい。そして、生徒ひとりひとりの個性が違うように、講師の個性も違う。安田さんは、法人を運営し、自身も講師をしながら、上手く生徒と講師をマッチングさせる役目も負っている。

生徒の性格や勉強の進捗状況に合わせなくてはいけないので、レッスンはマンツーマンにならざるをえない。

「正直、民間というか、NPOで出来ることに限界を感じています。専門家の助けはもちろんのこと、講師不足の解消が最大の問題です。場所も手狭になっていますし」

と、安田さんは苦しそうに心中を吐露する。

キズキがこれまでに受け取った支援金は190万円だけだ。それも起業支援として得たもの。入塾金は2万円。マンツーマン指導も週1コマ(90分)で月額2万円と、良心的な値段設定だ。

民主党政権は、すべての子どもたちに最低限の教育を受ける権利がある...といって強引に高校無償化制度を押し進めた。いまここにある現実をどうみるのだろうか。

2011年6月26日

古賀茂明大臣官房付に突きつけられた「公式の退職勧奨」

 霞が関のアルカイダこと、経産省の古賀茂明大臣官房付(55)がいよいよ、野に放たれるかもしれない。
 古賀氏が12階にある個室で1年以上もの間、何の仕事も与えられずに「幽閉」されているとこのblogに書いたのは、約1年前の6月29日だ。以来、古賀氏の周辺はさまざまなドラマで彩られた。昨年10月の参議院予算委員会では当時の仙谷由人官房長官から恫喝を受け、そのシーンは幾度となくテレビで流れた。民主党の公務員制度改革に対する姿勢について、あらゆるメディアに登場しては疑問を投げ続けた。政権与党の実力者・仙谷氏の顔色を窺う上層部にとっては苦虫を噛みつぶすような状況が続いたわけだ。実際、望月晴文前事務次官や古賀氏の同期である上田隆之官房長は、再三にわたって「非公式」での退職勧奨を行っていたという。圧力は日に日に増し、上田官房長主催の同期会には、古賀氏ひとりにだけ、声がかからなかったということもあったと参加者のひとりは打ち明ける。

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2010年11月 3日

自民党化する民主党

 特別会計を対象にした事業仕分け第三弾の前半戦が終わった。

 予想よりも二桁(!)ほど少ない財源捻出しか出来ず、完全に盛り上がりに欠ける内容だった。

 メディアの世論調査の中にはわずか一ヶ月で菅総理の支持率が30ポイントも下落する、という結果が出る中、民主党政権は2週間後に行われる「再仕分け(後半戦)」が政権浮揚の鍵を握ると見ている。

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2010年7月 8日

参院選注目の候補者、岡崎友紀氏を直撃レポート

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 参院選に民主党比例代表で出馬する女優・岡崎友紀(おかざき・ゆき)氏にインタビューし、女優時代から今回の選挙出馬に至る経緯を聞きました。

* * * * *

─選挙戦も終盤にさしかかりました。商店街では「あら、岡崎ゆきさんだわ」「テレビでよく見てたわ」などとシニアの方々から大人気でしたが、手応えはいかがですか?

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2010年6月29日

霞が関のアルカイダ

 経済産業省には、「霞が関のアルカイダ」と呼ばれる官僚がいる。現在、12階の個室に「幽閉中(or窓際中)」の身であるため、その存在は日に日に忘れられている。彼の名は、古賀茂明大臣官房付審議官(昭和55年入省)。霞が関ムラの村民なら、「官房付」という言葉を聞けばすぐに、古賀氏が宙ぶらりんの状態で干されていることがわかるだろう。実際、1年近くもの間、古賀氏には仕事らしい仕事は与えられていないという。

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2010年2月28日

政治主導の犯人捜し

 ジャーナル読者のみなさん、お変わりないでしょうか。さて、私事ですが、3月いっぱいで「ニュースの深層」(朝日ニュースター)を不当経緯で仕分けされちゃいました(笑)。

 テレビの華やかなスポットライトの裏側には、ドロドロの男女関係や陰湿なイジメ、閉鎖的な人間関係が渦巻いているということを間近で体験することができて、非常に勉強になったのだが、つくづく自分には向いてない世界だと思った次第。驚いたのは役員クラスになるほど、自分たちのミスを決して認めない無謬性が強まっていて、報道を志した時の初心はいったいどこに置き忘れてきたのだろうかと強い疑問を私に抱かせた。
 ただ、あいた時間を使って書きためていた原稿を初夏には刊行できそうなので、結果としてはそう悪くないと自分を慰めている次第だ。
 こうした事件の主人公となる度に思うのは、こういう時にこそ「他人の度量」がはかれるということ。昔、とある外務官僚に「北朝鮮情報」を餌に呼び出され、散々高価な食事をたかられた上に、ハラスメントを受けた経験がある。法廷に立つところまではいかなったが、弁護士を通しての面倒なやりとりを半年近く続けた。その間、信用していた人間に限って、自らの保身大事に私と距離を置いたりひどい場合は裏切ったりもした。一方、救いの手は全く予想もしないところから、伸びてきた。人間はつくづくわからないと感慨にふけったものだ。

 前置きが長くなったが、鳩山政権の情報に対する閉鎖性が強まっていることを危惧している。特に霞ヶ関で、その傾向は顕著だ。

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2009年12月10日

官僚たちの冬

 通常、この時期になると次年度予算の折衝が大詰めを迎えている。今年は『政権交代』という歴史的な出来事があったのだから、混乱が生じるのは仕方のないことであるとしても、「着地点が全く見えない。総理や官房長官がまとめてくれるとも思えない。最終的な決裁者がいない異常事態です」と、財務官僚のみならず関係省庁の担当者も茫然とした表情で口を揃える。

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2009年9月21日

肩書きは誰が決める?

長のご無沙汰申し訳ありません。

さて、きょうは取材ネタからはすこし離れて、「肩書き」をテーマに語りたいと思います。

わたしは勤め人を経験したことがないのでよくわからないのですが、カイシャでは、肩書きは社長も含めて上司なり、人事部なりが決めていくものですよね。

では、フリーランスの書き手の世界はというと・・キャリアとそれほど乖離していなければ、自分で勝手に決めてよいのだと思っていました。

いちおう、わたしの肩書きはルポライターです。名刺にもそう書いてありますし、個人blogの「ペコちゃん日記」にも「ルポライター横田由美子の日記」とサブタイトルがついています。

仕事を始めた当初は、あらゆる題材を扱っていたためフリーランス・ライターと名刺に刷っていたのですが、そのころからライターとかフリーライターとか編集者の好み(?)で適当に掲載されていました。

ルポライターと名乗る(名刺に刷る)ようになったのは、硬派な仕事が増え始めた七年ほど前のことです。小学生の時に読んだ少女漫画に女性のルポライターが出てきて、とても素敵だったのと、いつまでも現場感覚を忘れたくないというのが肩書きを決めた大きな理由です。

ところが・・その後も頻繁に肩書きは変更されるのです。コメント取材などを受けると、「ジャーナリストの横田由美子さん」などになっていて、雑誌を開いて驚いたことも一度や二度ではありません。

そして、ここ一週間ほどの間に新たな肩書きが再びつくられました。

「政治ジャーナリスト」です。

一週間ほど前のこと。朝、自宅でテレビを見ていて、自分のVTRコメントの横にこの肩書きがあるのを見て驚愕しました。ディレクターの方には、確かに名刺を渡したはずなのですが・・・。
とはいえ、いちいち訂正を求めるのも面倒なので、放っておいたところ、翌日に出演した番組でも「政治ジャーナリスト」となっている。さすがに、「わたし、ルポライターなので困ります」と強めに言ったところ一度は納得してくれたのですが、再度ディレクターの方から連絡があり、「大変申し訳ないのですが、番組としては政治ジャーナリストという言葉を使いたいのです。折衷案として、ルポライター・政治ジャーナリストでいかがでしょう」と頼み込まれてしまいました。従来のアバウトな性格が災いして「一回ぐらいなら、まいっか」と軽く考えてしまったのがいけなかったのかもしれません。
この二回で「政治ジャーナリスト」が定着してしまい、その後のラジオ出演やら週刊誌のコメントなどでは、「ルポライターで政治ジャーナリストの横田由美子さん」という妙な肩書き(←だとわたしには思える)に変わってしまったのです。

フリーランスの世界でも、肩書きって他人がつけていくものなのかと改めて不思議な感覚にとらわれています。

みなさんはどう思われますか?

2009年8月 9日

すでに始まった官僚と民主党の戦い

「もはや政権交代は既成事実です。焦点は、どの程度民主党が勝つかということに移っている。それで、我々の身の振り方も変わってきますから」
 こうした意見が霞が関官僚の間では共通している。いささかのんびりしているようにも聞こえるが、違う。公僕である以上、どの政党が政権与党になろうとも面従腹背でお仕えするのが、彼ら官僚の仕事だ。
 とはいえ、民主党は当初、官僚たちのパワーの源泉である人事権や予算編成権などを奪取し、「脱官僚」を旗印に「霞が関を解体する」と対決姿勢を鮮明に打ち出していた。彼らとしては、当然ながら迎え撃たなくてはいけない。しかし、すでに戦術は出来ているようで、エリート官庁になればなるほど焦りは少ないようだ。

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2009年6月26日

与野党逆転

すごくバタバタしていて、ごぶさたしてしまいました。

ここのところ暑いですね。みなさんは体調など崩されていませんでしょうか。

さて、前回に引き続き、またもや文科省ネタで恐縮です。

3週間ほど前ですが、自民党無駄プロジェクトチーム(PT)と構想日本が作夏より行ってきた政策棚卸の取材に行ってきました。ほんとうはもっと早く書こうと思っていたのですが、原稿に追われて、気がついたらこんなに時間がたっていました。すみません。

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Profile

横田由美子(よこた・ゆみこ )

-----<経歴>-----

埼玉県出身。
96年、青山学院大学卒。在学中より、ライター活動を本格化。
以後、フリーランスを貫く。
新聞、雑誌で主に、女性、官僚、政治をテーマに記事を執筆。
趣味はクラシックバレエとワイン。

-----<連載>-----

朝日新聞be「読み解く」

日刊現代「霞が関の掟」(毎週木曜)

-----<出演>-----

『ザ・インタビュー』
(BS11)
アシスタント・キャスター

『ニュースの深層』
(朝日ニュースター)
サブ・キャスター/月・水・金担当

BookMarks

ペコちゃん日記
http://blog.livedoor.jp/yumikoyokota/

-----<著書>-----


『官僚村生活白書』
2010年6月、新潮社


『ヒラリーをさがせ!』
2008年1月、文藝春秋


『私が愛した官僚たち』
2007年2月、講談社




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