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死ぬ前にどうしても行きたい所

「この旅は10年分話した」
 わずか2日の旅行帰りに立ち寄ってくれたお客様が興奮している。
 はじめは真冬の稚内。2度目は伊根の舟屋へ。トラベルヘルパーと出会い、介護旅行が人生を少し変えていた。
 何もなければ、誰とも話さない日もある。
 しかし、旅に出る日は支度から出迎え、見送りと朝から忙しい。車や列車を乗り継ぎ、見物しながら食事もする。動いた分だけ新しい出会いがあり、声をかけてくれる人がいる。自分という存在を確認する瞬間だ。
 30年前、事故で車いすの生活となり、今は一人暮らしで介護サービスを受けている。家族と別れ、生きる希望を失くした。話し相手は、訪ねてくれるホームヘルパーくらいだ。
 その人がずっと持ち続けた夢を叶えようとしている。作詞家デビューだ。
 立つことも歩くこともできない。しかし、ペンを持つことはできた。震える筆先にすべてを込めて書く。10年前、ようやく見つけた生きがいだった。
 以来、著名な師に弟子入りし、新聞投稿を続け今では入選も常連となった。
 しかし、プロとなれば話は違う。周囲は「無理だ、諦めろ」と言う。それでもあきらめきれない。書くことは、生きることだから。
 その夢を携え今回は大阪へ向かった。プロの歌手が会って話を聞いてくれるという。
 訪ねたコンサートでは熱狂的なファンの前で紹介されスポットライトを浴びた。自分の為にと歌もくれた。事務所の社長は、一緒に挑戦してみようと約束してくれた。すべてが夢のような話だ。
 とうに70歳をこえた人生、うまい話などないことも解っている。それでも残りわずかな人生を生きるには希望が必要だった。
 トラベルヘルパーの育成を初めて18年、身体が不自由な人の旅には、さまざまな気づきがあり今も教えを乞う存在だ。公的制度と制度外サービス、その人に携わる人すべてが希望を支えている。

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Profile

篠塚恭一(しのづか・きょういち )

-----<経歴>-----

1961年:千葉市生れ。
1991年:(株)SPI設立[代表取締役]観光を中心としたホスピタリティ人材の育成・派遣に携わる。
1995年:超高齢者時代のサービス人材としてトラベルヘルパーの育成をはじめ、介護旅行の「あ・える倶楽部」として全国普及に取り組む。
2006年:内閣府認証NPO法人日本トラベルヘルパー(外出支援専門員)協会設立[理事長]。行動に不自由のある人への外出支援ノウハウを公開し、都市高齢者と地方の健康資源を結ぶ、超高齢社会のサービス事業創造に奮闘の日々。
現在は、温泉・食など地域資源の活用による認知症予防から市民後見人養成支援など福祉人材の多能工化と社会的起業家支援をおこなう。

BookMarks

あ・える倶楽部
http://www.aelclub.com/

-----<著書>-----


介護旅行にでかけませんか──トラベルヘルパーがおしえる旅の夢のかなえかた(講談社)

問診による経営診断のすすめ方(共著)

大人の脳活性訓練ガイド(入門編)監修

トラベルヘルパー養成講座・教本
 
介護旅行でいきましょう(時事通信・連載)
 
→ブック・JOURNAL←



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