Calendar

2011年3月
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31    

Recent Entries

« 東電:計画という名の無計画、安全という名の手抜き
メイン
田中利幸:オバマ政権「核兵器廃絶」という名の戦力強化 »

《第7回》陸山会事件公判傍聴記 ── 録音テープの内容と矛盾する検事の主張に鋭くツッコむ裁判官

3月23日くもり。11日に発生した地震の影響もあってか、今日は傍聴希望者にメディア関係者が少ない。ということで、7回目の公判で初の抽選なし。

なお、岩手県釜石市に居住している大久保隆規氏は、地震による被災を受け、現在は出廷が困難な状態にあるという。そのため、今回からは大久保氏だけ審理が別に行われ、石川氏と池田氏の2人が被告人として出廷することになった。

今回から、陸山会に関係する事件を捜査した検事が証人として出廷する。トップバッターは田代政弘検事。田代検事は主に石川氏への事情聴取を担当し、また、検察審査会が昨年5月に小沢一郎氏に一度目の「起訴相当」の議決を下した後に行われた石川氏への再聴取(以下、「再聴取」とは2010年5月17日のことを指す)も担当している。報道されているとおり、この再聴取の様子を石川氏が録音していたことが昨年末に明らかになっていて、裁判の行方を左右する重要な証拠となっている。

10時開廷。まずは検事による尋問。ここは想定通り、田代検事は取り調べの正当性と調書の任意性を主張。概要は下記の通り。

※以下の概要は傍聴人のメモから主要部分のみを抜粋して再構成したものです。

・石川氏が特捜部からの事情聴取で「この事件はどうおさめるかだ」と言われたと主張していることについて
「そのようなことを言った覚えはありません。(思い当たることとすれば)こちらからすると説明があいまいで、合理的な説明をしてほしいという話をしました。あなたが不合理な説明をすると、捜査が進むことになるので、本当のことを話してほしいといいました。石川氏におびえた様子はありませんでした」

・同じく、「特捜部は恐ろしいところだ」と言われたと石川氏が主張していることについて
「そういった類のことを言ったことはありません」

・石川氏への事情聴取で得た印象
「石川被告は本当のことを話していないという心証がありましたので、『暴力団の子分が親分をかばうようなことでいいのですか』という話をしました」

・石川氏が弁護人に送った手紙について
「石川被告が供述調書に署名して以降のことです。(弁護人が石川氏に)『取調べで黙秘したり署名を拒否することが難しいのであれば、手紙を送ってほしい』と言われたとのことでした。石川氏は私に、『弁護人を無下にするわけにはいけないので、取調べを批判するようなことも書きますが、気を悪くしないでくださいね』ということでした」

・再聴取で水谷建設の5000万円のウラ金について聞かなかった理由
「最初は、相手がどういう答えをしようとしているかを考えました。話すうちに、これは(水谷関連の供述をすることは)無理だろうと思いました。この日の取調べは任意でしたので、石川被告の言い分にも理解をしているという態度で聴取にのぞみました。ある意味では、石川被告のご機嫌を取りながら、取調べを進めたということです」


田代検事の受け答えは冷静かつ淡々としていて、法廷でのやりとりにおける模範的回答といった印象。大久保氏、石川氏、池田氏の3人は、弁護側の尋問でも緊張している様子が伺えたが、やはり検事の方が「場なれ」しているようだ。

昼休憩をはさみ、13時15分再開。続いて弁護側の尋問。以下は、法廷で行われた主なやりとりは下記の通り。(──は弁護人、「」は田代検事、※は筆者の補足)

■特捜部の「脅し」について

── 石川氏は、2009年12月27日にあなたから事情聴取を受けた時に「この事件はどうおさめるかだ」」、2010年1月14日には「特捜部は恐ろしいところだ」と言われたことに「一番恐怖を感じた」と何度も話していますが、本当に言っていないのですか?

「何度も申し上げておりますが、そういう発言はしていないと思います」

── 「小沢さんは石川さんをかばうつもりはないよ」と言ったことは?

「そういうことは言っておりません」

── 2010年1月26日に取調べ調書ができていますね。このとき、石川議員の女性秘書が取調べを受けたことを知っていましたか?

「石川議員から翌日頃に聞いたと思います」

── なぜ、秘書を呼ぶんだと石川氏に言われませんでしたか?

「抗議を受けたようなことを言われました」

── その時、「石川さんにスキがあるからだ」と覚えはありませんか?

「石川被告が悪いから調べられるんだという話はしていないと思います」

── なぜ、秘書が事情聴取に呼ばれたのですか?

「私は全然存じ上げません。今でも、なぜ呼ばれたかはわかりません」

── 石川氏にプレッシャーを与えるためだったのでは?

「私は全然知りません」

■再聴取の際のやりとりについて

── 再聴取のとき、あなたは石川氏に「あ、そうそう、それ(※大久保氏が石川氏から収支報告書の報告を受けていたとする供述調書)に合わせたんだこれは」「その時は、『何にも具体的なことは説明しませんでした』と言ってるんだから、いいんだよ」「(小沢氏に報告したのは)12月だろうが3月だろうが変わんねえからさ。変わるとなんで『変わっちゃったの』となって面倒くさいからさ」と言ってますが、どういうことですか?

「大久保氏の調書を石川氏に伝え、大久保氏が『平成17年3月に4億円についての報告を記載しない』という報告を受けたという調書があることを聞きました。石川被告に事情を聞いたところ、小沢氏が関与していたことを認めることを渋っていたから、石川さんの認識にしておきましょうとということでの発言です」

2010年5月17日の録音テープの中には、2010年1月に石川氏が逮捕されてから保釈されるまでの取調べの調書の作られ方も入っていて、弁護人はそこを攻める。田代検事は淡々と受け答えをするものの、若干早口になり、回答に苦労しているようだ。弁護人が交代して、さらに田代検事を攻める。

── あなたは再聴取のときに、石川氏に「『特捜部は恐ろしい組織だぞ。何されるとわからないぞ』と(田代検事が)さとしてくれたじゃないですか」と言われて、あなたは「うんうん」と答えていますよね

「取調べ時間が4時間を過ぎてましたので、そういうことを返事もしたのかなと思います」

── 心ここにあらずということで言ったということですね。弁護人からはこれで終了します

■裁判官の鋭い質問に、防戦一方になる田代検事

弁護人からの尋問終了後、裁判官から尋問が行われる。主なやりとりは下記の通り。(──は裁判官、「」は田代検事、※は筆者の補足)

── あなたは再聴取の時に「石川さんに対して技を授けて調書にした」と発言していますよね。これはどういうことですか?

「小沢氏の関与については石川氏が供述を渋ったので、そこで、石川氏の認識としてまとめますからということで調書にしたということです。石川氏は勾留中、自分の調書で小沢氏が不利になることを心配していました。そこで、石川さんの立場からすればいい調書になって、私としては残念でしたが、そういう話になりました」

── 再聴取にある「いまのところの作戦」とは何ですか?

「石川氏は小沢氏の起訴を避けたかったので、それに同調して『我々の作戦』と言って、その結果、石川氏が望む調書にしたということです」

── 石川氏に「特捜部は恐ろしい組織だぞ」と言われて、あなたが「うんうん」と答えているのはどういうことですか?

「神経を研ぎ澄ましていれば、その場で反論したかもしれませんが・・」

── だけど、別のところで「特捜部は恐ろしい組織」と言われたところでは、「そんなことないじゃん」と否定してますよね

「はい。特捜部としては(石川氏に)恐怖を与えるようなことはしていないつもりでしたので、そう答えました」

── 気が抜けたということですか?

「おそらくそういうことだっただろうと思います」

── 上の空だったということですか?

「・・そうですね」

── だけど、この「特捜部は恐ろしい組織だと言われた(石川氏)」「うんうん(田代検事)」というのやりとりの前の水谷建設の話では、話がかみあってますよね

「そうですね。水谷建設の件の話だったので、そこはピンときたのではと思います」

── もう一度説明してもらえますか?

「最後のやりとりにで(水谷建設の裏金の)5000万円について否定していることが出てきますので・・」

以上で第7回公判が終了。午前中の田代検事は検事からの尋問に順調に答えていたが、午後に弁護人の尋問で録音テープを引き合いに出されてからは若干早口になり、回答に困っているように見えた。とはいっても、これはあくまで筆者による主観。裁判長が田代検事の一連の反応をどのように評価するかが注目される。

※第6回は後日アップします。

〈構成・文責:《THE JOURNAL》編集部 西岡千史〉
────────────────────────

■有料会員制度スタートのお知らせ

《THE JOURNAL》では10月に有料会員制度をスタートしました。本記事も、有料会員の皆様の支援によって制作されたものです。有料会員制度の詳細については下記URLをご参照下さいm(_ _)m
http://www.the-journal.jp/contents/info/2010/10/post_66.html

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.the-journal.jp/mt/mt-tb.cgi/7949

コメント (5)

■コメント投稿について編集部からのお願い

《THE JOURNAL》では、今後もこのコミュニティーを維持・発展させていくため、コメント投稿にルールを設けています。投稿される方は、投稿前に下記のリンクの内容をご確認ください。

http://www.the-journal.jp/contents/info/2009/07/post_31.html

ご理解・ご協力のほどよろしくお願いいたします。

西岡 様

マスコミが大震災のニュースに集中し、陸山会事件の公判のことなど、国民が忘れ去られようとしている時に、第7回公判の内容を記事にして頂き、本当にありがとうございます。

さて、これまでの公判の内容は、正直言って『日本の裁判とは、こんな幼稚な茶番劇なのか』と恐怖を覚える次第です。
★★★★★★
皆さんも、振り返って見て頂きたいと思うのですが、検察の『訴因(起訴理由)の証拠』は、供述調書だけなのです。
それ故、裁判の争点は、【売買契約書】や『収支報告書』の内容や『入出金記録』等には一切言及せず、もっぱら当該供述調書の信用性が争点と成ってしまっています。
★★★★★★

本来であれば、裁判所は、逮捕状の発行を拒否していたハズです。
理由は、【第14回】の通り、『陸山会事件は事件を構成していない』からです。
【第14回】石川氏等は、有罪にされるだろう。弁護人のせいで!
http://ajari-rikuzankai.at.webry.info/201103/article_1.html
※特に、この部分を注目してください。
★『【売買契約書(※1)】の特約事項の「6」』に『本物件引渡日までに農地法の・・・受領通知書を受領できない場合、本契約は白紙解約とし、・・・』と、あります。
(※1) 【売買契約書】
http://deisui.sakura.ne.jp/data439.gif

【第14回】を掻い摘んで言うと、本登記日(2005年1月7日)迄は、当該土地売買契約が、成立していないので、例え、陸山会の通帳から土地代金を支払っていたとしても、「政治団体がした立替金を、預かったお金で支払った」という扱いと成る為、また、4億円についても、収支報告書に記載すべき会計事象では無かった、と言う事実が証明されたということです。

皆様にお願いします。
この情報を日本一新の会の皆さんに伝えて下さい。

「弁護人からの尋問終了後、裁判官から尋問が行われる。主なやりとりは下記の通り。(──は弁護人、「」は田代検事、※は筆者の補足)」という注釈がありますが、後半部分の記述で、裁判官の発言はなかったのでしょうか。

>匿名さま

失礼いたしました。ご指摘の部分は「弁護人」ではなく、正しくは「裁判官」です。お詫び申し上げますとともに、訂正させていただきます。

ご指摘をありがとうございましたm(__)m

編集部 西岡 様

第7回公判内容、毎度のことですが、丁寧に記録され、状況が良く理解できます。ありがとうございます。

検事の事情聴取などは、今までにもはっきりしていることですが、恫喝あり、やくざと代わるところがないといってもよいのでしょう。

石川氏もご自分のことであればそのままありのままに述べればいいことですが、直接の上司に当たる小沢氏の関与に対し、さまざまな手段、テクニックを多用して聴取してきたときはどのように答えたらよいか、判断に苦しんだのでしょう。

検事のストーリを認めれば、石川氏の罪が軽減されるとか、小沢氏の起訴もないような甘いことを言われれば、事実を離れ、認めたほうが良いように錯覚してしまうのではないか。

普通の常識的な人間であればあるほど、甘い言葉に弱いものです。石川氏が、疑い深く,懐疑性の強い性格であれば、簡単には乗らなかったかも知れない。

したがって、検事に誘導されたストーリーに基づく証言は何等証拠としての効力はないのではないか。言葉による証言は,該当者相互の証言が一致しなければ証拠としての価値は認められないのが当たり前であって、不当検事行為ではないか。

コメントを投稿

(いままで、ここでコメントしたことがないときは、コメントを表示する前にこのブログのオーナーの承認が必要になることがあります。承認されるまではコメントは表示されません。そのときはしばらく待ってください。)

※[投稿]ボタンをクリックしてから投稿が完了するまで数十秒かかる場合がございますので、2度押しせずに画面が切り替わるまでお待ちください。

Profile

日々起こる出来事に専門家や有識者がコメントを発信!新しいWebニュースの提案です。

BookMarks




『知らなきゃヤバイ!民主党─新経済戦略の光と影』
2009年11月、日刊工業新聞社

→ブック・こもんず←




当サイトに掲載されている写真・文章・画像の無断使用及び転載を禁じます。
Copyright (C) 2008 THE JOURNAL All Rights Reserved.