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小林恭子:地震発生で日本を励ます英フィナンシャルタイムス

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小林恭子氏のTwitterはコチラ

 海外メディアは今回の地震をどのように取り上げ、報道しているか。「日本人が知らないウィキリークス」共同著者の一人である小林恭子氏から情報が届きました。英国メディアチェックのから転載です。

☆ ☆ ☆

 日本は国外でどう見られているか?

 これは本来はあまり気にするべきことではないだろう。新聞は、何か事件があったとき、国外の見方を紹介する記事を良く作るけれど、これはあくまで「参考」であって、その見方は当たっているかも知れなし、当たっていないかもしれない。ステレオタイプかもしれない。

 それでも、もし英国での今回の日本の地震と津波発生の報道を紹介するとすれば、大体共通しているのが、

1)非常に報道が詳しい─地理的な説明、何故地震や津波が起きたのか、何故原発が日本にとって大事なのかを、ありとあらゆるコメンテーターや情報を使って英国民に説明している。テレビのニュースは時間を目一杯とり、新聞もたくさん紙面を使っている。

2)主眼になっているのは、これほど大きな自然災害であったことへの驚き、犠牲者への大きな同情、原発の事故の可能性でどれだけ被害が出るかへの高い関心など。サン紙は、1面に、大きな写真に、一言、「黙示録」とつけた。
■「APOCALYPSE JAPAN─Thousands feared dead in tsunami」(英・The SUN)
http://www.thesun.co.uk/sol/homepage/news/3461355/Japan-Thousands-feared-dead-in-tsunami.html

3)報道のトーンとしては、日本に対する敬意がいろいろな箇所ににじみ出ている。「地震がたくさん発生する国日本で、今回これほどの地震と津波が起きた」「地震に対しては準備万端だったろうけど、津波は防げなかったーでも仕方ないだろう」「地震対策はすごいはずだが」「私たち英国人のアドバイスなどは、あまり参考にならないだろうが(日本には相当な知識と技術があるのだから)」-という表現をよく聞いた。「敬意」というのは、もしかしたら、やや「劣等感」あるいは「気後れ感」もあるかもしれない。何せ、ちょっとしたことで電車が止まり、交通状態が麻痺してしまったり、郵便が届かなくなるのが英国だから。2012年のロンドンオリンピックも、まともに交通機関が動くと信じている人は少ない。必ず何か失策が起きそうである。

 地震発生2日目に犠牲者が数百人規模で出ていることが分かったので、明日以降の新聞はまた別のトーンになると思うが、とりあえず、発生の夜に作った、本日付の各紙は6ページほどの特集がザラだった。

 英・フィナンシャル・タイムズは、希望的観測の論考が多い。神戸の地震(1995年)と比較して、当局が着々と救済策に力を入れていることを誉め、「日本はこれをきっと乗り越える」という結末など。例えば社説の見出しは「日本は自然災害を吸収する」である。

 論説面の記事の一つが、日本在住のピーター・タスカ氏の論考、「日本は回復力が豊かな国(Japan is rich in resilience)」。自分の体験を書き、後半が日本を励ますような記事。

 やや拾ってみると、
 「表面的には、日本はひどい状況だ。管首相は低下する世論調査の数字や金融スキャンダルの餌食になる、幾人もの首相の一人だ」「経済はG7の中でももっとも大きく打撃を受けている」「東証トピックスは1985年レベルで止まっている」

 「日本の隠された資産は、国民からだけでなく、十分に高く評価されていない」、例えば「2007年夏から円は対ユーロ、ポンド、ドルなどで急激に上昇している。それでも、上場企業は来年には利益のピークに至るだろう。これは現状では、本当にすごい業績だし、1990年代以降、日本の経営がいかに大きく変わったかの証拠でもある」

 「日本では急速に高齢化が進んでいるが、これが良いか悪いかは別として、大量の移民労働者に対し、門戸を開いていない」「その代わり、日本の勤労者は長い年月を働きつづける。労働市場の20%以上が65歳以上なのだ。欧州では5%以下だ」

 「80代の人でも警備員やレストランで働いている。しかも意気揚々としている。年金だけにたよるのは昔から軽蔑されている」「日本は電化製品ではトップの座にはないかもしれないが、リアリズムでは世界の先駆者だ」

 「若者たちは、無関心や政治への関与をしないことを高齢者たちから批判されているが、神戸大地震の副産物の1つはボランティアが広まったことだ」「100万人がボランティアに従事している」「(当時は)日本のやくざでさえも、生存者たちに無料で食べ物を配った」「互いに助け合うネットワークが自然にできた」

 「危機や自然災害は前向きの変化を引き起こすかもしれない」「ニーチェがいったように、あなたを殺さないものは、あなたを強くするのだ」「この災害は日本を殺さない。日本は心理的により強くなるかもしれないー地震の処理がうまくいけば」

 「なまずに石を戻してくれる神がいるとは誰も思っていない(※1)」「自分たちでやらないとだめなのだ」

 「日本に対して楽観的になる最大の理由は、厳しい20年間をかいくぐった、社会資産(ソーシャル・キャピタル(※2))があるからだ」。

 日を追うごとに暗いニュースになるだろうし、海外のニュースを読んでいる気持ちの余裕はなくなるだろうけれど、とりあえず、紹介してみた。

【脚注】
※1 前の文章に、なまずと地震の話がある
※2 ソーシャル・キャピタルは、人的資源、助け合うネットワーク、80代になっても嬉々として働く人々のことを指していると思われる。

☆ ☆ 海外メディアの地震記事 ☆ ☆

Japan Struck by One of Biggest Earthquakes(「Democracy Now!」─インデペンデントメディア)
JAPAN EARTHQUAKE(「Newser」─ニュースアグリゲーター)
Don't give up, Japan. Don't give up, Tohoku(「The Independent」)
Powerful Quake and Tsunami Devastate Northern Japan(「NewyorkTimes」)
Japan earthquake and tsunami(「Guardian」)

☆ ☆ 著書紹介 ☆ ☆

kobayashi110313.jpg
「日本人が知らないウィキリークス」

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ご理解・ご協力のほどよろしくお願いいたします。

「鯰に石」というのは、鹿島神宮の祭神と「要石」の伝承ですかね。あそこも被災したはずですが。

月曜日、何事もなかったかのように出勤する東京のサラリーマンを見て、欧米のメディアがまた驚くのではないかと知人と話をしたばかりでした。

阪神大震災で罹災し10日後に、スーツにデイバッグとワークブーツで大阪の本社へ出勤した時の事を思い出した。

自宅から5時間30分もかかりや粉塵の中からJR大阪駅へ降りると、そこには以前と全く変わる事の無い日常が有った。

僅か10~20キロ離れるとそこからは非日常の世界が広がっているのに…あまりのギャップに訳のわからない悔しさを覚え頭が混乱た。

この記事を読んで、あの不思議な光景こそが日本の底力だったのかもしれないと思った。

被災地で直接救助にあたれない人々に出来る事…日常をしっかりと過ごす事が、国力回復につながるのだと信じて日々を送りたい。

こうしたニュースは嬉しいですね。

日本に伝わってくるのはごく一部ですし、新聞社のフィルターがとおるためか脚色されてしまうものが多いと感じます。

原文で読んでみました。
ありがとうございます。Fightback の精神で!

Liberal

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