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ブッシュ王朝の系譜

かつてジョン・F・ケネディが40代で大統領に就任すると、閣僚となった弟のロバート、議員候補のエドワードなどの先行きを勘案し、「三代の大統領でアメリカを24年間支配することになりそうだ」、「これではケネディ王朝ではないか」といった賛嘆や懸念がアメリカを走った。

 今日のワシントンでは、アメリカは現職大統領の父親が既に副大統領8年を踏まえて、大統領を4年、現職ジョージ・W・ブッシュが8年、その後はフロリダに盤踞する弟のジェフが8年やることになるのでは、といった懸念から「ブッシュ王朝」との用語が、マスコミの間で使われ始めた。

家系創始者:ブッシュ家の始祖は通常、現職大統領の曾祖父であるジョージ・ウオーカー・ブッシュだと言われる。ブッシュ家資産の礎を築いた人物だ。その資産形成はヒットラー台頭とナチの興隆、ユダヤ人大量虐殺事業と轍を一つにしている。ジョージ・ウオーカー・ブッシュは、持てる資金をドイツのI.G.ファルベンという化学企業に投入し、チクロンBなどに代表される「毒ガス作り」に没頭した。当初戦争用であり、ここで得た利益をヒットラーの政界進出に投入し、ナチ党への最大の献金者となり、事業はナチの興隆とくつわを揃えて伸び、利益・利権を拡大した。毒ガス需要は国内のユダヤ人大量虐殺需要でも、大量に伸び、利益は更に増大する。

プレスコット・シェルダン・ブッシュ:オランダ諜報部機密文書によると、ジョン・ウオーカーの長男プレスコット・シェルダンは、アウシュビッツ・ユダヤ収容所における強制労働の、「最大の受益者」だったという。アメリカ政府が公開した機密文書によると、プレスコットはその利益を、アメリカ政府の「敵国性取り引き禁止法」の抜け穴をくぐり、白紙委任状の形で、息子のジョージ・ハーバート・ウオーカー・ブッシュに引き継がせ、これは現在現職ブッシュ大統領にさらに引き継がれている。ブレスコット・シェルダンもその基金を活用して、後年アメリカ合衆国上院議員になる。ブッシュ王朝の資金は、毒ガスとナチとの二人三脚で始まった。

ジョージ・ハーバート・ウオーカー・ブッシュ:ブッシュ家は創業時の執事格アレン・ダレスを初代CIA長官につかせて以来、アメリカ最大の情報・諜報機関を自家薬籠中に収めた感がある。そして現職の父親ブッシュは、自らその長官を務めており、この時は「毒ガス」で始まった家運を「麻薬の世界」に拡大させた。イラン・コントラ疑惑で証明されたように、CIAの国際的違法活動の軍資金は常に麻薬の売買である。かつての英国に見られる、アヘン事業駆使による中国権益簒奪に範をとったものだ。
 ジョージ・ハーバートが長官を占めた当時のCIAは中南米政権のすげ替えに忙しく、その渦中から、パナマのノリエガ将軍に代表される中南米麻薬密売人とつるみ、ブツをアメリカ人に売り込み、その資金でアルゼンチン政府転覆工作を進めた。ジョージ・ハーバートの「官制麻薬事業」はラオスからパナマまでの麻薬密売人を駆使したもので、ボリビアの「コカイン・クーデター」、そこで暗躍していた「ネオナチ」とも協力するなど、止まるところを知らないが、既に明るみに出たケースのイラク・コントラ事件に、象徴的な図式が見て取れる。「アメリカ国内で中米産のコカインを売りさばき、その利益から調達した武器をイランに売却、そこで更に増大させた利益をコントラに投入して、中央アメリカで合法的に選出された政権を転覆させた」のである。さらにこのとき、彼はイラクのサダム・フセインを支援し、武器を売り渡しイランを攻撃させ、それに必要な「大量殺戮兵器」である毒ガスも提供している。日本語でいう「マッチ・ポンプ」であり、つまりイランとイラクを戦争させ、双方に武器兵器を売り込み(サダムは無償援助と信じていたらしいが、のちに膨大な請求書を突きつけられ、結局石油利権しか渡すものが無くなった)CIA他が巨利を博す。
 同様に、オサマ・ビンラデンを登用し、アルカイダを結成させ、アフガニスタンで対ソ・ゲリラ戦争を展開したのもCIAを媒介させた、この人物の手柄でもある。10年後、アメリカはフセインの「クエート侵攻を容認する」とグラスピー大使にささやかせ、クエートに侵入させ、フセインを討ち取る。

ジョナサン・ジェームス・ブッシュ:ここで一人傍系ブッシュを紹介しておく。ジョナサンは現職大統領の叔父、つまり父親元大統領の弟だ。この人物は経済に強く、ワシントンを本拠地とした「リグス投資マネージメント社」の代表として、手腕を発揮。その下に運営された「リグス・ナショナル・バンク」はワシントンの中心で、日本も含めた主要国大使館の口座を扱っている。もちろんサウジアラビアは大得意である。金融脈を操作するジョナサンは、ニューヨークでは「共和党財務委員会」会長を歴任している。2004年、連邦政府はリグス銀行に対して、500万ドルの罰金を科した。「サウジアラビアの口座における、マネーロンダリングを許容した」というものである。「ブッシュ家とサウジ王家の関係」に関しては、複数のドキュメンタリー報告文書、無数のインターネット・サイトによる告発があるが、記憶すべきは、9.11テロ犯人(ほとんどがサウジアラビア人)の資金源に流れた、との告発だ。
 ベンジャミン・フルフォードというジャーナリストは「9.11テロ捏造説」を力説しているが、彼の著書では、9.11テロ捏造資金にもリグス口座経由、ジョナサン扱い資金が流れている」と、かなりの資料を明示して主張している。

ブッシュ四兄弟

「ブッシュ家中興の祖」ジョージ・ハーバート・ウオーカーに4人の男児が出生した。三代の英傑を生み出した家系だが、さすがに「家系疲労」は覆いがたく、次男のジェフを除いては、小学校から大学まで、劣等生として成長している。
長男ジョージ・ウオーカー・ブッシュ、現職二期目のアメリカ合衆国大統領:エール大学時代のあだ名は「ダブヤ」。卒業以来、叔父のジョナサンが資金調達を繰り返し、「アーバスト社」、「スペクトラ7」、「ハーケン・オイル」の経営に関わったが、すべて失敗。ハーケン株で、今度はテキサスの野球チームを買収。父親ブッシュ政権を構成していた「王朝幹部」の戦略で、筋書きは「PNAC」(ネオコン・シンクタンク)が策定し、長男はテキサス州知事から、ホワイトハウスに直行した。
次男ジョン・エリスジェフイ・ブッシュ:テキサス大学卒業後、一族支援で中米系石油会社で働いたのち、レーガンに予備選挙で挑戦した父親ブッシュの手伝いに、フロリダ州にやってきて、その後はキューバ系財界人とつながり、政治利権を駆使し、フロリダ州知事に当選。政治経済における実力は「兄弟4人中随一」とマスコミは評価する。
 フロリダ州は元来民主党が強い。ここでジェフ・ブッシュは州政府州務長官にサンドラ・モース、キャサリン・ハリスなど腕っこきの女を登用し、選挙区、選挙制度、有権者登録などを操作し、州務長官に命令し「前科者の投票禁止」を強行した。前科者にはもちろん黒人や、キューバ系が多く、彼らは共和党には投票しない。2000年の、兄ブッシュ大統領選挙は、フロリダ州での「425票差の勝利」で決まった。このときの、全ての異常な投票・集計・再集計・州規則適用では、キャサリン・ハリスが実行部隊長として活躍。この時マスコミは徹底的に抑制され「ジェフ・ブッシュ」という人物を選挙操作からみで活字にした新聞は一つもない。
三男ニール・マーロン・ブッシュ:これまでのマスコミ情報を総ざらいすると、この人物のタイトルには「事業詐欺師」以外の名前がみつからない。「シルベラード・バンキング」という貸付貯蓄銀行を倒産させ、資産を20分の1に見積もらせ、銀行は10億ドルの税金で赤字を補填され、ニールとパートナーは2億ドルの利益を手中に撤退。現在は企業のコンサルタントとして、次々と内部情報を利用した株式投資で、収益を揚げ続けている(日本の村上ファンドと類似するが、村上とは異なり、塀の内側に落ちることがない)。
四男マービン・ピアース・ブッシュ:「セキュラコ」という警備会社を経営。この会社は2001年から、ニューヨークのワールド・トレード・センターの警備を取り付けた。同時に、ブッシュ家に関連するシルバースタインがセンターを買収、高額な保険をつけている。シルバースタインは、保険はつけたのみで、世界貿易ビルを始め、物件へのテナント獲得には全く興味を示さず、営業用人材を置いていない。9.11政府委員会報告では、「南北貿易ビル及び第七ビルは火災の熱で構造体が溶解し崩壊した」となっているが、テロ当日、及び翌日マスコミがインタビューした地元消防署の職員(消防士)は明快に「ビル解体作業における、連続爆発音を聞いており、その順序に従ってビルが崩壊した」と証言している。南北ビルはそれでも、飛行体(これが政府発表のユナイテッド及びアメリカン航空の旅客機であったか否かでは、現在も激論が続いている)がぶつかっており、まがりなりにも火災は起こっているが、全く同様のパターンで崩壊した42階建ての第七ビルには飛行体もあたらず、大火災の発生もしていない。
 ビルを事前に買収して、高額保険をかけていたシルバースタインは事件当日「火災が甚だしく、人死にもでて危険だから、倒壊させる」と発言したことが記録に残っている。
 だがビル倒壊準備には通常数週間を要する。南北ビルの災害を見て、それから3時間くらいの作業で倒壊出来るものではない。第一、綿密な設計のもとに42階であれば、1000を超える小型爆薬を仕掛け、コンピュータ操作まで必要となる。少なくとも三つのビル、ことによるとその他のビルにも「倒壊準備」が完了していたことになるが、この作業にはテナントが去った夜間しか時間がなく、警備会社の目を盗んで行うことは不可能。その夜間警備を引き受けていたのがブッシュ現職大統領の末弟、マービンであった。ちなみに、ビル所有者となったシルバースタインには保険金30億ドルを支払われ、買値の二倍以上を手中にしている。しかし、彼は「保健契約額は70億ドルであった」と主張し、保険会社に「後40億ドルを払え」との訴訟中である。
 第七ビルには、政府の機関などが散在したのみで、9.11事件当日は「ほぼ無人状態」。南北タワーはシルバースタインの消極商法で、どんどんとテナントが減らされ、事件日のテナントとその社員の数は「以前の半分以下」と、リベラル・マスコミは時折推測記事を載せたものだが、オーナー会社はテナント情報は一切秘匿して、マスコミでこれを入手したものはいない。四男マービンの警備会社はこれを掌握する立場にあったのだが、ここも勿論当時のテナント情報は一切門外不出としている。

鳥瞰図

中東危機から停戦に

 「アメリカによる停戦引き延ばし」とヨーロッパ主要紙が、ブッシュ政府のレバノン紛争対応姿勢を批判、これが先週はアメリカにも飛び火し、最近ではブッシュ批判を躊躇する東海岸の意見欄にも「これはコンドリーザ・ライス国務長官の浅智恵」といった論説などの形で、議論に火がつきそうな雰囲気となっていた。さすがにシャープなライス、先行きを危険視したか、政権内部では急遽停戦促進に方針が変わり、フランスとの妥協に道が開け、めでたく国連決議が採決された。現時点で既に停戦二日目を迎える。
 停戦がどこまで徹底するかが報道面、解説欄でも第一の話題となっており、社説でも同様に議論の対象である。ワシントンポスト社説は冒頭に「すでに、ヒズボラは国連決議1701の違反を随所に見せており・・」と悲観論から始めるが、中途から「だが、良いサインもある。レバノン政府は1万5000の兵隊を南部に展開し、その先遣隊は今日にも現地入り」、「フランスも、より責任のあるリーダーシップを発揮」などを列記する。ロサンゼルスタイムスは紛争半ばの2週目あたりから、「アメリカ政策の孤立を懸念する」といった社説を掲載していただけに、今回の合意、決議案に満悦の賛意を表明し、「ブッシュは更に欧州諸国、アラブ諸国との接触を密にすべきだ」と尻を叩く。
 今回の停戦に不服を唱えるのは、ブッシュ親衛隊のワシントンタイムス。15日付トップ社説は「張り子の虎」と題し、今回の合意・停戦を「アメリカの挫折」と位置づけ、無念の意をにじませる。「アメリカが外交的に支えていたのに、イスラエルはヒズボラ征伐を果たせず、逆にヒズボラはしたたかな実力を示した」とこれでは、ブッシュの主張する「敗者はヒズボラ」との折角の強がりの足下をすくうことになる。通常「国連軽視」を売り物にするこの新聞が、今週は「こうなれば国連の力を発揮させるしかない」と見て取ったか、この社説でも 「国連部隊がヒズボラの武装解除に入ることはないにしても、これがレバノンをがっちり支援し、他のアラブ諸国も協力するとなれば、新たな希望をもてる」とリベラル紙と見まがう議論だ。

虫瞰図

英国航空便テロ騒動

 英国が未然に「10機の旅客機爆破の大型テロを察知、計画加担者を逮捕した」事件は、奇妙なことに何日経っても被疑者、計画、資料、証拠などの具体的な情報がマスコミに登場しない。それに反比例するように、ブッシュやブレアの「対テロ戦争への新たな決意」などが増幅されて伝えられる。「液体爆弾持ち込みを図った」ということで、米英は自国のみか、諸外国空港でも「例えウイスキー、香水であっても液体の機内持ち込みは厳禁」と談じ込み、日本の成田では「アメリカ政府の指示により(依頼ではない)」と免税店では乗客の酒、香水の購入を拒否する始末だ。
 「風化する9.11」という議論がようやく出はじめたところでのタイミングのよい英国諜報部の成果なのだが、既に欧州主要紙の意見欄では、これを「ブッシュ・ブレアのやらせ」と皮肉るものが出はじめている。だが、アメリカの新聞はさすがに付和雷同はせず、9.11以来「国土安全保障」に絶対帰依の姿勢を崩さないワシントンポストなどは、「震駭する思い出」などと題する社説で「ここしばらくテロへの恐怖感が弱まっていた折から、この事件は我々を再び、テロの恐怖を認識させてくれる」と、ブッシュの対テロ政策絶対帰依姿勢を頑なに守っている。

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中村忠彦(なかむら・ただひこ)

-----<経歴>-----

玉川大学文学部、農業学部卒業。
マンマス大学政治学部卒業。
カトリック大学大学院国際関係部卒業。
現在、カトリック大学政治学博士課程にて論文を主筆中。
10年に渡る米国政府と日本政府間との同時通訳経験から日米間における問題について数多くの記事を新聞、雑誌に投稿。
自身の経営するギャラクシー・システムを通じ最新の米国時事紹介、政治、経済、社会、ハイテク、エネルギー問題を論じる。

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